一般質問③【防災①新たな地震被害想定と地域防災計画改定】|金沢市議会議員 黒口啓一郎
1:新たな地震被害想定と本市の地域防災計画第2次改定
Q:防災アドバイザーからの指摘、助言
(黒口)
続きまして、新たな石川県の地震被害想定が示され、本市が地域防災計画の第二次改定に取り掛かることに関して質問をさせていただきます。この春、本市にとっての今後の防災減災に大きく関わってくる新たな被害想定がようやく公表されたわけですども、この新たな被害想定に基づく第二次改定の見直しにあたって、本市の防災アドバイザーである関西大学の越山教授からは、重視すべき点や取り組みの方向性など、指摘や助言があったのでしょうか。
■答弁:危機管理監
本市の防災アドバイザーの越山健治氏からは、これまで多くのことについてご助言をいただいておりまして、今般の地震被害想定調査結果の公表後におきましても、いくつかのご指摘、ご助言をいただいております。
まず具体的には、能登半島地震を契機に、市民の防災に関する関心が高まっているこの時期に、改めて住戸の耐震補強や感震ブレーカーの普及などについて、市民に周知をすべきであるということ。
石川県の地域特性や地理的特徴を加味した災害シナリオが作られておりますので、狭隘な道路や木造密集地など本市の地域事情に鑑み、項目を選別して対策を検討すべきなどのご助言をいただいております。
Q:新たな地震被害想定の中で示されたことの中で、特に重視されるところを指摘されたんだと思うんですけれども、そうしたですね、助言とともにですね、私は今回、県の示した想定の中で、27年前の前回の想定からの変更点として、特に金沢市周辺の人口集中地区における被害想定の出し方が変わってきたことを重視しております。
250m四方というのが基本となっておりますけれども、金沢市の人口集中地区では、50m四方という細かな区画単位での被害想定を出していると県の資料では記されています。ただ、その内容がどうであるかというのは、公表された資料の中には載っておりません。本市で既にその内容を受け取られて精査を始めていると察しますが、この内容というのは公表はされるのでしょうか。
■答弁:危機管理監
区画単位での被害想定の公表につきましては、自助・共助を進める上で重要なデータであると考えている一方で、個人財産への影響を考慮する必要があると捉えております。こうしたことから現在、石川県におきまして、この区画単位での被害想定データについてオープンデータ化の是非と、公開するとした場合の範囲について検討を行っていると聞いております。
Q:そういった考えるべき課題があるということですけれども、一方で、50mメッシュの被害想定というのは、本市においては校下・地区ごとの被害の特徴であったり、避難者の人数予測などが、よりきめ細かに算出できるように聞いております。
全体の公表には適さないとしても、各校下・地区の地域の防災を進めていくには、やっぱり重要な情報となりますので、ここは適した伝わり方というものを検討していただきたいと思うんですが、これに関してお伺いします。
■答弁:危機管理監
今ほど答弁したとおり、自助共助に大変重要な情報だと考えております。どのような形で公開できるかも含め、データを持っております県と協議をしながら検討していきたいと思っております。
Q:その検討を進めていただきたいと思います。そして、今後の地域防災計画の改正にあたって、いくつか本市の考えをお聞きしたい点を尋ねてまいります。まず、危機管理広報からです。
大地震が起きたときにフェイクニュースがSNSで拡散されて、昨年1月の能登半島地震でも問題になり、投稿者は逮捕され事件化しました。地域防災計画の見直しにあたってはフェイクニュースによって救助、復旧、安全安心に混乱が生じないよう、事実確認や注意喚起、本市の公式情報の発信のあり方など、災害時の広報、情報マネジメントの対策とか、市民への事前の周知など、いろいろ具体的に示すべき部分が地域防災計画の中に盛り込まれるべきと考えますが、フェイクニュース対策などの危機管理広報は、見直しの中にどう取り入れていかれるのかお聞きします。
■答弁:市長
災害時には悪意による情報だけではなく、また、見方を変えれば正しいかもしれないような情報も含めて、様々な情報が流れてきております。そして、SNSやインターネット上で目にした情報、そうした情報をすぐ鵜呑みにするのではなく、自治体等の公的機関による情報やテレビ・ラジオ等の放送、新聞による情報を確認することの重要性、このために周知していきたいと考えています。
先般改定した第一次の地域防災計画におきましては、市民への情報発信力の強化を掲げております。今年度、避難情報等SNS等に一斉配信する同じ情報を様々な媒体で同じ情報を配信するというシステムを構築するということとしております。災害時における迅速な情報発信に努めていきたいと考えています。
(黒口)
そういった対策を取る中でも、過去の地震災害の中では、やはりフェイクニュースが流れているということは事実であります。
起こらないとは言い切れない以上、そういった情報が出た時に対するファクトチェック、事実の確認というところが特に重要であり、そこの部分ではですね、市としての役割も大きいのかと思いますので、今後の地域防災計画の改定の中で、この観点も検討の中に入れていただけたらと思います。
Q:続いて、帰宅困難者対策についてお尋ねします。今回の地震被害想定で、帰宅困難者数の予測結果が初めて示されました。夏の昼12時、正午の場合、おおよそ県内の通勤通学者5万2,000人、観光客9万6,000人、正月の18時では、観光客27万8,000人などとなっていますが、これらの数字というのは、県全体の予測であります。この一般質問の中で、市長から金沢市内では12万6,000人の最大の帰宅困難者がという数字をお示しになられましたけれども、今後帰宅困難者マニュアルをつくられていくに当たって、金沢駅、中心市街地、観光地でのエリアごとにマニュアルを策定するというところに関わってくるものであるかと思います。当該地域の校下や地区の地域の防災対策にも関係してくるのではないかと思いますが、予測結果というものがあればお示しください。
■答弁:危機管理監
今ほどの御質問でございますが、各地区の分野での分析というのはまだできておりません。詳細な県のデータを見ますと、これにつきましては、市域単位というふうに提供を受けておりますので、細かな分析はできないのではないかと考えているところでございます。
(黒口)
となりますと、県の示されたデータでは、エリアごとの算出というのは、現状難しいということですけれども、そうしますと、今、3つのエリアイメージが出ていますけれども、ここに対しての帰宅困難者の規模感というのはどのようにつかまれていくのでしょうか。
■答弁:危機管理監
まずは、帰宅困難者の中でも大きいのが観光客と金沢にお勤めになっている方、この割合がどうかということが一つ大きいかと思います。そういった中で、特に観光客につきましては、駅の集中が行われるのではないかということで、まずは金沢駅周辺から対応していきたい。また、県内からおいでる買物客等が中心市街地に寄ることがございますので、これは人流データ等も活用しながら、規模感を今後検討していきたいと考えております。
(黒口)
先ほどの50メートルメッシュの予測もそうですし、こちらの帰宅困難者対策もそうなのですけれども、やはり地震の被害の想定として、一定の予測数値が出てこそ、災害のイメージがつかんでいけるものではないかと思います。そういった中において、漠然とした情報よりも、できる限りそういったイメージがつかめる情報が示されていくことが、ひいては地域の防災の資するところにもつながっていくかと思いますので、適切な情報開示というところを検討の中でお考えいただければと思っております。 この想定では、文化財の被害についても算出されています。文化財の被害想定を踏まえて、被災時のダメージを減らすために、より踏み込んだ取組が考えられるようになると受け止めておりますが、文化財の建物の倒壊や焼失をできるだけ抑えて、所有する文化財の破損を防ぐといった文化財被害を抑制していく対策というのは、今後どうされていくのか、これも文化都市としての仕事の一つかと思いますけれども、市長の見解をお伺いします。
■答弁:市長
今回の能登半島地震におきましても耐震化がされている文化的施設とそうでない施設によって大きな被害の差が生まれておりました。文化財被害への対策については、歴史的建造物などにおいて、市独自に耐震補強等に係る支援制度を設けておりまして、この活用を促すことによりまして、文化財への被害を抑制していきたいと考えています。また、全国106の自治体が加盟しまして、私が会長を務めております全国伝統的建造物群保存地区協議会の各首長とともに、国に対して耐震対策の充実を図りますよう引き続き強く要望していきたいと考えています。
(黒口)
昨年元日の能登半島地震のときでも、文化財となっている建物やそれから石垣とか、やはり被害というものは防ぎたくてもどうしても起こったというところは否めないかと思います。やはり古い建築物となりますと、耐震補強そのものが難しい構造であったり、いろいろと課題というものはあるかと思うのですけれども、大きい地震、森本・富樫断層帯を震源とする地震が起きると、昨年元日よりもより強い地震となって、大きい災害が想定されるわけですので、そこに向けた文化財への対策というものもさらに進めていただきたいと思います。 こうした文化財の被害だけではなく、道路、インフラ、地盤、ライフライン、様々な防災・減災の取組を重ねたところで防ぎ切れない被害が生じるというところがあるわけなのですが、今後、そうした起こり得る震災について、最新の知見に基づく被害想定が今回示されたということになるのですけれども、災害が起きた後、いかに復旧・復興を速やかに動き出せるようにするか、本市がどう手を打つべきか、検討できる材料が得られたというふうに捉えることもできるかと思います。国土交通省は能登半島地震を踏まえて、被災時に早期に的確な復興まちづくりができるように、復興まちづくりのための事前準備の取組がますます重要と呼びかけておりますけれども、本市では今、まさにこれに着手するときが来たのではないかと思います。市長の所見をお伺いいたします。
■答弁:市長
今、まだ被災した地区が金沢市内にもございます。復旧・復興を進めていくということがまず大事だというように思っております。さらには、被害想定が出てきた中で、被害想定のとおりにならないための被害を少なくしていく方策、これも大事だというように思います。そして、今、御指摘をいただきました復興まちづくりのための事前準備ということ、これも大規模な災害が発災した場合に、迅速な復旧・復興を進めるという中で、大変重要と捉えております。第2次の地域防災計画の改定作業の中で、他都市の取組も参考にして、まちの課題を分析するための基礎データの整理、そして復興の実施方針などの検討を進めることとしております。さらに、市内の被災箇所での復旧業務の取組手順、進捗状況等を関連部局間で共有を図ることで、今後の災害等の備えに生かしていきたいと考えております。
(黒口)
第2次改定の中で、ぜひそういった観点でも備えが進んでいくことを願っております。 次に、防災士の活動状況についてお尋ねします。本市の地域防災において、大事な存在と言えるかなざわコミュニティ防災士ですけれども、防災士になられる方の人数というのは着実に増えてきています。その全ての防災士について、どの校下・地区でどんな地域防災の活動をされているか、本市では把握されていらっしゃるでしょうか。地域の防災活動に携わってもらうために、本市が公費負担して資格取得した防災士の方々ですので、活動状況がどうなっているのかは、市としてつかんでおく必要があると考えますが、現状をお伺いします。
■答弁:危機管理監
毎年各地区の自主防災組織から防災士が中心となって企画・運営をしております防災訓練の実施状況、また防災研修の開催状況などについての御報告を受けております。そういった中で参加状況等を確認しております。現在、防災士個々の活動についてまでは御報告を受けておりませんが、自主防災組織との協議の機会等を捉え、個々の活動状況については、聞き取りなどに努めているところでございます。
(黒口)
私も防災士の一人として、地域防災の活動に携わらせていただいておりますけれども、やはり一緒に活動されている防災士の方々の声を聞いていきますと、防災士の資格は取ったんだけれども、その後の活動になかなか参加していただけないとか、そういった声というのはやはり常々聞こえてくるところです。せっかく取っても活動につながらないということですと、やはり人数だけ増えていっても、これはちょっと効果的ではないなというところを感じます。市長もこれまでの一般質問の答弁の中で、民間団体、企業、地域住民とより連携した対策を進めたいというふうにおっしゃられておりますけれども、その中で地域防災の中でも活動に期待を寄せるところは、防災士の方々というところがどうしてもなってこようかと思います。そういったところでは、きめ細かにどんな活動をされているかというところを市として把握していただきたいなと思います。その中でよりよい取組というものが分かってくれば、これを広く共有していくことで、地域防災の活動をよりよいものとして広がっていくことも考えられますし、そういった情報を収集する役というところをぜひお願いしたいと思います。 防災士についてなのですけれども、総数、人数はよく耳にするのですけれども、もう1つはバランスよく各地にいらっしゃるかということも大切かと思います。本市では未来共創計画で、1町会当たり1人以上の割合で配置できるよう育成しているというふうに理解しておりますが、これについては、現状いかがでしょうか。
■答弁:危機管理監
令和7年3月末現在でございますが、市内1,345町会のうち、防災士が1名以上在籍しておりますのは、833町会でございます。
(黒口)
差し引きますと512町会はまだ防災士がいない町会という状況が浮かび上がってくるかと思いますが、地域によっては世帯数がすごく少ない町会というのもあります。お年寄りの割合がとても多い町会というのもあります。そういった成り手がなかなか確保しにくい町会もあるということも聞いておりますけれども、そういう地域にあっても地域防災の人材を確保するためには、現状からどのように打開をされていくのかお尋ねいたします。
■答弁:市長
これまでも自主防災組織や防災士の方々と連携しながら地域防災の人材確保に取り組んできておりますけれども、災害時の担い手不足を心配する町会も少なくない状況であります。こうしたことから、今年度はかなざわ学生防災フォーラムを開催するとともに、学生等と連携した地域防災活動に対する支援制度を創設いたしました。こうしたことによって、学生の防災知識と共助意識の向上を図ってまいりたいと思います。さらに、防災士育成講座の助成対象に企業枠を新設いたしまして、企業防災士の育成を促す取組も進めていきたいと考えております。
(黒口)
学生さんの若い力をぜひ生かすというところも、そして企業の防災士の方々もというところ、とても重要な視点かと思います。他方、やはり学生さんがいない地域、町会もございますし、企業の防災士の方々も基本的には御自身の勤めている会社の防災というところを重視されるかと思います。その中にあっても地域の防災のほうにも参加していただけるような促し、そしてバランスよく配置されるところを目指すというところも、ぜひ今後、意を用いていただきたいと思います。 個別避難計画の策定に関して1点だけお伺いいたします。これまでの一般質問、いろいろ個別避難計画の策定に関して質問がありましたので、私からは、1点、経緯を見ていきますと、どうしても民生委員さんの負荷が大きいのではないかなというふうに感じました。対象者の個人情報に関わっていくところがあって、関わらないわけにはいかないというケースが多いように見受けられます。本市としても重々承知のことなんだと思うのですけれども、今後、個別避難計画の対応も仕事に加わっていく中で、民生委員さんの負担軽減というのはどのように手を打っていけるのでしょうか。今年12月には3年に一度の改選を迎える中で、担い手の確保が厳しさを増すという状況も耳にしております。既にほかの自治体では成り手不足が深刻化して欠員の地区が生じているというケース、報道も目にいたします。今後の負担軽減の在り方について、本市の所見をお伺いします。
■答弁:市長
個別避難計画につきましては、危険な場所に居住する方など優先度の高い要支援者の計画について、介護保険等のサービスを利用している方については福祉専門職、利用していない方については町会連合会や自主防災組織に依頼して、この5月までに作成したところでありますが、その過程の中で民生委員の協力を得ながら作成した地域もあると聞いております。本市としても地域における民生委員の役割、非常に大きく、負担が増えているということを承知しております。市から民生委員に依頼している業務について、民生委員にしかできないもの以外は他の依頼先を探すなど、民生委員の負担の軽減に努めているところであります。
(黒口)
ぜひ、そのあたりの配慮、工夫というものをお願いしたいと思います。



